はじめに:自堕落な日々の終わりが、すべての始まりだった
2014年、私の年齢は30代半ばに差しかかっていました。
翌年に結婚をすることになるものの、「結婚する」という実感はほとんどありませんでした。
また、「生活を見直そう」とか「お金を貯めよう」などといった発想もなく、
これまで通り、自分が使いたいときに使いたいだけ使う生活を続けていました。
朝はコンビニでおにぎり、ペットボトルのお茶、チルドコーヒー、タバコ。
夜は惣菜か外食(マクドナルドを月に25回食べていたことも)。週末は飲み歩き。
ATMで手数料を払ってお金を引き出すのも日常。
財布の中はレシートと小銭であふれ、コンビニで1日3,000円以上使うことも珍しくありませんでした。
そして、お金の使い方以上に問題だったのは、生活全体が完全に自堕落だったことです。
- 洗濯物は週末まで放置し、まとめてコインランドリーの乾燥機へ
- 惣菜のトレーや空き缶、皿は台所に放置
- 帰宅後は風呂にも入らず床で寝落ち、翌朝シャワーだけで出勤
- 車のガソリンは常にギリギリで、JAFを呼ぶことも
- 財布は整理できず、レシートやポイントカードでパンパン
- ポケットの中には小銭がジャラジャラ
資産は200〜300万円の間を行ったり来たり。
「貯まらないな」と思いながらも、その理由を直視しようとはしていませんでした。
今振り返れば、この時期が私の人生における「浪費のピーク」だったと断言できます。
記録が、ぼんやりした毎日に“輪郭”を与えてくれた
「このままじゃまずい」──
そのように感じてはいたものの、何をどう変えればいいのかわからなかった当時の私が、
試しに始めたのが、スマホの家計簿アプリ「毎日家計簿」でした。
最初はただレシートを入力するだけ。
食費、日用品、タバコ、交際費などをざっくり分類して、1日1〜2分。
それだけの作業だったのに、見えてきた数字は、自分への“警告”そのものでした。
- タバコ代:月2万円超え
- コンビニ支出:月5万円超え
- 外食・飲み代:月4万円超え
数字は嘘をつきませんでした。
「そりゃ貯まらないよな…」と、ようやく自分の暮らしと向き合う覚悟が芽生えた瞬間でした。
無意識の積み重ねが、生活とお金をむしばんでいた
記録を始めてわかったのは、行動の多くが“習慣”になっていたということ。
特別に贅沢しているつもりはなかったのに、実際には「惰性の出費」が日々重なっていたのです。
- コンビニは「寄る」場所ではなく「通る」場所
- タバコは嗜好品ではなく「呼吸の一部」
- 惣菜は手抜きではなく「常食」
- 缶コーヒーは水分補給の感覚で飲んでいた
“無意識の支出”という名の黒い霧が、日常を覆っていたことに、記録することによってようやく気づいたのです。
気づき → 立ち止まり → 少しずつの調整
もちろん、家計簿をつけたからといって、すぐに浪費癖が治るわけではありませんでした。
けれど、レシートを見て数字を入力するひとときが、自分の行動を振り返る時間になっていきました。
「これは本当に必要だったのか?」
「生活習慣を、そろそろ変えるべきではないだろうか?」
そんな問いが自然と浮かぶようになりました。
洗濯物、台所、財布の中――「整えたい」という気持ちが芽生えた
数字を整えようとすると、不思議と生活そのものも見直したくなるものです。
- 財布のレシートを毎日整理するようになった
- 洗濯物を溜めず、こまめに干すようにした
- 台所に洗い物を残さないよう心がけるようになった
支出の記録を続けるうちに、生活の乱れとお金の使い方が密接に結びついていると実感するようになっていきました。
――とはいえ、生活が本格的に変わったのは翌年から
この時点では、まだ一人暮らし。
記録によって「意識」が変わり始めただけで、生活そのものは大きく改善されたわけではありません。
翌2015年、同棲を始めてから、生活がようやく実際に変わり始めます。
その話は、また次回に。
無理せず、月2万円ほどの支出減
この年、大きな節約をした記憶はありません。
でも、家計簿をつけ始めたことで、意識が自然と切り替わり、
気づけば月に2万円ほどの支出が減っていたのです。
「今月もお金が残っている」
そのように感じることができるようになったのがこの年でした。
まとめ:家計簿は、浪費の出口だった
2014年は、私にとって「浪費のピーク」であり、
その終わりを迎えるための“助走”となった1年でした。
家計簿は、ただの数字の記録ではありません。
自堕落だった自分の暮らしに、輪郭を与えてくれた道具だったのです。
あきらめずに記録を続けたからこそ、自分の行動に疑問を持てました。
その疑問が生活を修正することにつながり、それがやがて資産1,000万円に至る土台になりました。
次回は、2015年──結婚を迎えた年。
暮らしと家計に“現実”がのしかかってきた中で、どう変わっていたのかを綴っていきます。
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