車を、ローンを組まず現金で買った|家計簿10年が教えてくれたお金の使い方

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先日、10年乗った車を買い替えました。

家計簿を10年続けてきた私にとって、車の買い替えは、ただ新しい車を選ぶこと以上の意味を持っていました。毎月の数百円、数千円を記録してきた人間が、百万円単位のお金を一度に動かす。日々の小さな記録と、人生でそう何度もない大きな決断が、ここで一本につながる感覚がありました。

この記事では、ローンを組まずに現金で買ったこと、出せる上限を先に決めたこと、車そのものの選び方、燃費と投資の話、そして売却でつまずかなかった工夫までを、順番に書いていきます。どれも特別なことではありません。家計簿で「自分の数字」が見えてさえいれば、誰にでもできる判断です。

なぜローンを組まなかったのか

いちばんの理由は、金利がもったいないからです。

ローンというのは、言ってしまえば「未来の自分からの前借り」です。今すぐ車に乗れる代わりに、車の価格に利息が上乗せされ、数年かけて多めに返していくことになります。現金で払えば、その利息はゼロ。借りれば数十万円単位で余計に出ていくお金を、わざわざ手放す理由が、私には見つかりませんでした。

もちろん、どうしても今すぐ必要で、手元に現金がない場合は、ローンも選択肢のひとつです。でも私は一度立ち止まって、自分に問いました。「借りてまで、今すぐこの車に乗る必要があるだろうか」と。その答えが「いいや」なら、貯めてから買えばいい。順番を守るだけで、利息の分だけお金は手元に残ります。

「出せる上限」を先に決めた

とはいえ、現金があるからといって、欲しいまま青天井にお金を出したわけではありません。車を探しはじめる前に、自分が出せる上限は200万円ほど、と決めておきました。

この「先に上限を決める」ことが、実はいちばん大事だったと思っています。車を見ていると、つい、もう少し良いグレード、もう少し良い装備に目がいきます。気を抜けば、予算は簡単に膨らみます。でも、あらかじめ上限を決めておけば、迷う余地そのものを先に消しておけるのです。

そしてその上限を、「感覚」ではなく「計算」で引けたのは、家計簿を10年続けてきたからでした。毎月いくら貯まり、生活防衛資金としていくら残しておくべきか。その上で、いくらまでなら手元を崩さずに出せるのか。数字で把握できていたから、無理のない上限がはっきりと見えたのです。

使わなかったお金が、将来は何倍にもなるかもしれない

もう少し高い車にも、手は届きました。それでも、あえて上限を抑えたのには、もうひとつ理由があります。使わずに残したお金を、投資に回せるからです。

同じお金でも、車に使えばそこで役目を終えますが、投資に回せば、時間をかけて働いてくれます。浮いたお金を長く育てれば、10年後、20年後には何倍にもなっているかもしれない。もちろん投資に確実はありませんし、これはあくまで「たられば」の話です。それでも、その可能性を手放してまで、今もう少し良い車に乗る必要があるのか。そう考えると、上限を抑えることに迷いはなくなりました。

「今、車に少し多く使う」ことは、裏を返せば「将来のまとまったお金を、先に使ってしまう」ことでもあります。目の前の満足と、将来の安心。その両方を天秤にかけられるようになったのも、お金を「使う」だけでなく「育てる」対象として見るようになってからでした。

投資をどう始めたかは、こちらの記事に書いています。

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車は、ネットで見つけた中古を選んだ

車は、近所のガソリンスタンドが中古車の販売も手がけていて、中古車をネットで見つけて選びました。店舗を何軒も回ったわけではなく、ネット上で条件をじっくり比べて決めた形です。

選んだのは、走行距離が1万8千キロ、2年落ち、車検がまだ2年残っている車でした。新車で買えば、乗り出しで380万円ほどになる車種です。それが、ほとんど新車に近い状態のまま、ずっと手の届く価格で手に入りました。

車は、買った瞬間から価値が下がっていく持ち物です。とくに新車は、乗り出して数年でいちばん大きく値を落とします。2年落ちというのは、その「いちばん下がる時期」を前の持ち主が引き受けてくれたあと、ということ。状態はほぼ新車、でも価格は大きく下がったあと。中古の“おいしいところ”を選べたと思っています。

燃費が2倍になって、浮いた分を投資に回した

乗り換えで、もうひとつ嬉しい変化がありました。燃費です。

前に乗っていたのはSUVで、平均燃費はリッター12キロほどでした。今度の車はコンパクトなハイブリッドで、リッター24キロほど走ります。同じ距離を走っても、ガソリン代がおよそ半分で済むようになりました。

この「浮いたお金」を、ただ財布に戻すのではなく、つみたてNISAの積立額を月に1万円増やすことに充てました。毎月のガソリン代が軽くなった分を、そのまま将来のためのお金に置き換えたのです。

月1万円と聞くと、小さく思えるかもしれません。でも、こうして「固定費を下げて、その分を投資に回す」という流れこそ、家計簿を続けてきて学んだ、いちばん大事な型でした。支出を減らすだけで終わらせず、減らせた分を“育てる側”に移す。この小さな付け替えが、10年、20年と続けば、大きな差になっていきます。

売却は一括査定で。下取り数万円が、40万円以上になった

意外と大きかったのが、それまで乗っていた車の売却です。十数万キロを走った、10年落ちの車でした。正直、たいした値はつかないだろうと思っていました。

実際、中古車を買った販売店が提示した下取り価格は、ほんの数万円。ところが、一括査定で複数の業者から相見積もりを取り、いちばん高く引き取ってくれるところを選んだら、40万円以上で売れました。その差は、40万円近くにもなります。

なぜ、これほど差が出るのか。販売店にとっての下取りは「おまけ」で、安く引き取れればそれでいい。一方、買取を専門にする業者は、その車を次に売るルートを持っているので、高く買っても利益が出せるのです。売る相手を変えるだけで、同じ車がこれだけ変わる。少し面倒でも、相見積もりを取るひと手間をかけるかどうかで、結果は大きく変わりました。

勢いで決めずに済んだのは、ネットでじっくり選べたから

百万円単位のお金が動くとき、不安がまったくないと言えば、嘘になります。それでも、勢いで決めてしまうことはありませんでした。

ひとつは、ネットで選んだことが大きかったと思います。対面で営業の方と向き合っていると、その場の雰囲気で、つい話が前に進みがちです。でもネットなら、走行距離や年式、車検の残り、価格を、落ち着いて並べて比べられます。

もうひとつは、「いくらまで出すか」「そのお金は手元を崩さないか」を、家にいるうちに計算で決めてあったことです。大事な判断を、冷静なときに済ませておく。あとは、条件に合う一台を選ぶだけ。勢いや雰囲気で決めない仕組みが、自然とできていました。これもまた、日々数字と向き合ってきた家計簿の習慣が、静かに効いた場面でした。

おわりに

車の買い替えを通して、あらためて感じたことがあります。お金の使い方は、我慢することではなく、自分で選べることだということです。

借りずに、貯めてから買う。上限を先に決める。残したお金は育てる。維持費の軽いものを選び、浮いた分も育てる側に回す。売るときはひと手間かける。どれも、特別な才能はいりません。必要なのは、「自分の数字が見えていること」だけです。

大きな買い物こそ、日々の小さな記録が効いてくる。10年分の家計簿が、こんな場面で静かに力を貸してくれるとは、始めた頃には思ってもいませんでした。

その「家計簿10年」で何が変わったかは、こちらにまとめています。

家計簿を10年続けたら人生が変わった|記録がもたらした5つの変化
家計簿を10年つけ続けて、お金以外のことも変わっていきました。記録がもたらした5つの変化——習慣・判断力・自己信頼・未来設計・心の余裕。

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